■耐震補強、増築、内外改修と3つの工事を行った公民館の例

 1.特殊な平面形状の為、通常の補強工法では困難  ※凹凸の多い平面形状

 2.増築はELV棟と一部本体にも直接増築する為、コンクリートの一部打直しを含めた検討が必要

 3.増築に伴い内部の間取り等にも影響することから、建物全体の法チェックと対応した全面改修が必要

  ※以上の条件をそれぞれクリアし、使い勝手をほぼ損なわずにリニューアル工事を完了しました

・補強の問題

 ※耐震診断により左図の大部屋に補強が必要となった

(1)2階に片持ち空間があり、外壁面での補強が出来ない

(2)架構内に補強が入ると部屋が分断される
   (狭い空間が残る)

(3)既存柱・梁がSRCの為、鉄骨ブレースではアンカー
   の
埋込み長さが取れない(施工の問題が大きい)

施工前(正面) 

補強改修後(正面)  
 2階補強改修後(内部) 

・採用案(効果等)

 各種工法を調査・検討した結果、SMIC工法(鉄骨と繊維コンクリートの工場製作品)を採用
※日本建築防災協会の技術評価取得工法
※限定工法となるが、建物の使い勝手が優先となる建物の場合は有効な工法

 (1)斜材が無い。(空間の分断を最小限に出来る。暗くならない)
 (2)分割部材を内部でジョイントし、既存面とは接着による。(品質管理と施工性が良い)

・増築について

 建物西側(裏側)にS造のELV棟をEXP・Jにて増築した他、本体に2階渡り通路を一体で部分増築。
(渡り通路部は小面積であるが、樹脂アンカーが使用出来ない為、本体壁を再定着コンクリート打設。
 尚、審査機関と十分打合行い、建物重量が増大にならない対応も検討済。)